Salesforceが「データクラウド」と呼ばれる新機能を発表し、これを同社史上最大のプラットフォームアップグレードと位置づけています。この発表は、年次カンファレンス「Dreamforce」の直前に行われました。
データクラウドの主な特徴
- 非構造化データの処理: ウェビナーや通話などの音声データを含む新しいタイプの非構造化データを処理する能力が追加されました。
- 拡張されたコネクタエコシステム: Square、Stripe、Meta、Splunkなど50の新しいアプリ用コネクタが追加され、多数のデータレイク、ウェアハウス、サードパーティシステムもサポートするようになりました。
- リアルタイムパイプライン: データの取り込みからアクティベーションまで1秒未満で処理するリアルタイムパイプラインにより、Einsteinによるパーソナライゼーション機能が強化されました。
Agentforceとの連携
Salesforceは、データクラウドCDPと新しいAIエージェント「Agentforce」との緊密な連携も強調しています。データクラウドは、非構造化の音声およびビデオデータから得た洞察をAgentforceに提供し、より完全なコンテキストでのアクションを可能にします。
データレイクとの共存
Salesforceの統合データサービスおよびEinstein担当EVP兼GMのRahul Auradkar氏は、データクラウドがDatabricksやSnowflakeなどのデータレイクと競合するのではなく、共存していくと述べています。データクラウドは、これらのサードパーティネットワークからデータを引き出す「ゼロコピー」機能も備えています。
AIへの投資
Salesforceは、Salesforce Venturesが管理する5億ドルの新しいAIファンドも発表しました。これにより、過去18ヶ月間のAIスタートアップへの総投資額は10億ドルに達します。
Salesforceの新機能「データクラウド」は、単なるCDPの進化ではなく、同社の提供内容を根本的に変革するものとして位置づけられています。この新機能がどれほど強力であるか、そして競合他社がどのように対応するかが注目されています。
元ソース
https://martech.org/data-cloud-represents-the-biggest-upgrade-in-salesforce-history/